学校長からのメッセージ

看護を志す人々へ

 

 

 看護は、医療の原点。身近に長く接してひとりひとりの患者さんを最もよく知るのは、誰よりも看護師です。
 求められるのは「心優しさ」ということでしょう。生まれつきの性格ではなく、確かな知識と技術が豊かな人間的素養で裏打ちされた「優しさ」であって、自ら作るものです。医療人は、学生時代も就職後もずっと学び続けねばなりません。ここで大切なのは「量」ではなく、 持てるものをいかに一緒に働く職員と共有しながら病める人に提供できるかという「質」です。
 本校では、知識・技術とその応用力、更にそれを活用するセンスと人間性を養うことが重要と考えています。

 さて、従来、看護学校を卒業して国家試験を通り、看護師免許さえ手にすれば前途は洋々。自分が望む業務内容が多い就職先を自由に選べましたが、事情は変わりつつあります。
 急性期と慢性期の境はあいまいですが、病気が完全に終わらないうちから生活・家族・社会との調整に関わるなど幅広い対応力が求められる「慢性期医療」に比べ、病が癒えて退院という始めと終わりが比較的明確な患者さんが多い「急性期医療」の方が、 若い新人には魅力的に映り、就職先として選ばれる傾向がありました。
 しかし、財政が厳しさを増す中、国は「入院」を減らし「在宅」を推し進めています。その一環として、病院では、「病床の数、とりわけ急性期病床数を大きく減らし、慢性・移行期病床の比率を上げる」方針です。 また、一患者当たりの看護師数は多いのが良いとしてきた政策も転換の方向にあります。ずっと看護師不足が叫ばれてきましたが、必要数は今後頭打ちになる可能性もあります。
 資格を持つ人が急に就職難にさらされる心配はありません。ただ今後、漠然と「急性期医療の場」を望んでも思うまま選べなくなる、むしろ相手から選択される時代になると思われます。 一生の仕事という長い視点で見る場合、「慢性・障害医療」について多くを身につけておくことの重要性が増しています。

 本校は、母体である国立病院機構富山病院が
 ◎「重症心身障害」(ポストNICUへの対応などで重症度が高まりつつある)
 ◎「成育(小児)」(内科的疾患から次第に不登校や発達障害など「こころの問題」が多くなっている)
 ◎「結核」(減少しつつも、合併症などの問題で複雑化している)
など、三つのいわゆるセーフティネット医療を主柱としており、他校では経験しにくい慢性・障害領域の疾患と看護を多く学べることが特徴です。もちろん、急性期医療についても、 市立砺波総合病院など、医療・教育共に充実した複数の特色ある病院で充分に実習を受けられます。
 看護を「慢性・障害」と「急性」の両面から学ぶことができ、奥行きのある教育を受けられる希有な場と自負しています。

 多くの卒業生が、様々な医療機関で活躍しています。
 また、国立病院機構富山病院の付属看護学校である以上、富山病院あるいは機構内病院で働く看護師を多く育てることを大きな役割としています。 卒後に富山病院への就職を望む新入生には授業料を十分にカバーする奨学金を支給する制度も整えており、機構病院を目指す多くの入学志望者があることを期待しています。
 現役・社会人を問わず、明るく学ぶ意欲を歓迎します。